正解だけじゃ足りない

　

僕ら浄土真宗でいう

　

お念仏は

　

報恩の行（ほうおんのぎょう）

　　

とか言われます。　

　

阿弥陀如来の　

　

お慈悲・お働きの「御恩に報いる行」だって意味だそうです。　

恩という言葉で思い出すのが・・　

　

　

開祖・親鸞聖人が、お作りになった、この歌。

　

　

如来大悲の恩徳は

　

身を粉にしても報ずべし

　

師主知識の恩徳も

　

骨を砕きても謝すべし

　　

　　　　

特にこの歌は『恩徳讃』（おんどくさん）って呼ばれて親しまれています。

　

　

僕は・・十年くらい。

　

この『恩徳讃』の意味は、よく分っていませんでした（汗）

　

この歌だけは、法話でもお話することはなかったんです・・

　

だって、自分にハラオチしてない話はできないし

　

なにより、しちゃいけない。　

　

　

それに

　

まず、阿弥陀さまのご恩って何よ？って話からせなかんし・・

　

・・この段階で至難の業・・　

　

その上に

　

阿弥陀さまのお慈悲を有り難いって思っている人に対してでも

「阿弥陀様のご恩に、身を粉にして・・って・・」

　

「先生方（師主）の恩に、骨砕けって・・」

　

なんか厳しいっていうか・・

　

命がけっていうか・・　

　

ストイックっていうか・・　

　

あまり、ホガラカさがないじゃん・・

　

いや〜っ・・偉いお坊様ならともかく・・

　

僕は、そんな厳しいの恐いじゃん・・(笑)　

　　

って思ってましたから・・　

　

つまり、二段階で難しい和讃なんです。　

　

　　

　

なんで・・親鸞様はこう仰ったんだろう？

　

　

まず　

　

お念仏を口にする・・または・・させていだく

　

これこそが、阿弥陀さまへの「ご恩報謝」で

　

これが、１００％の正解。

　

これ以上の、御恩報謝ってない。

　

そうやって、ちゃんと、聖典にも書いてある。

　

　

でも　　

　

その事をはっきりと

　

体いっぱい

　

人生いっぱいで

　

味わって、御念仏をされてた開祖・親鸞聖人は・・

　

だれよりも、恩を報ずる「正解」を知っていたにも関わらず　

　

『恩徳讃』で

　

如来大悲の恩徳は

　

お念仏して報ずべし

　

師主知識の恩徳も　

　

お念仏して謝すべし

　

とは、仰らない。

　　

　

どういうことなんだろう・・？

　

　

って考えてました。　

　

　

・・・思うに

　

本当に恩を知った人間は　

　

報いる方法として「完全な答え」が与えられても

　

それについて、頭では納得しても　

　

「これしたら正解っ！」　

　

とは、ならないんじゃないか・・

　　

と感じるようになりました。　

　　　

たとえ話になりますが・・　

　

　

「孝行息子がいたとして

　

極貧の少年時代、親が働き詰めで

　

自分を育ててくれた。

　

学校に行かせてくれた。

　　

大人になって

　

なんとか親の恩に報いたいと思って

　

一生懸命働いて、社会で成功して

　

親に家を買ったり、お金を送ったり

　

海外旅行をプレゼントしたり

　

自分の出来る限りの報恩をしていく。　

　　

そんな時、すごく尊敬する先生から

　

「親へのなによりの孝行は

　

自分が健康で、たまに顔を見せてあげることだぞ。

　

そして、親よりも一瞬一秒でも長生きすることだ。」

　

って言われたとします。

　

多分、この孝行息子は

　

「なるほど、そうだろな〜」

　

って、納得すると思う。

　

多分、だれが聞いても

　

「せやなぁ〜」

　

って感じると思う。

　

きっと、正解。

　

でもきっとこの人。

　

「それしときゃオッケー」

　

とはならないと思う。

　

正解をもらっても

　

自分が納得しても

　

それをしても・・どこか納得出来ない。

　　

　

親鸞聖人は、恩を知って

　

報いる方法を知って

　

だからこそ「・・でも・・」

って思っちゃう。

　

“お念仏する”って正解を「これさえしときゃ大丈夫」　

　

とは、歌えない！！

　

正直な話「身を粉にすることも、骨を砕することも」

　

って、人間の限界を超えた行い・・。

　　

常識の範疇でいえば「不可能な事」と同義！

　

　

そう歌わずにはいられないのが、親鸞聖人って方。

　

報恩ってものに対して、客観的に、人に教えるだけなら

　

「親に顔みせてやれ」と同じように

　

「お念仏しときや」って言えばいい。

　

親鸞聖人は、正直な自分の気持ちしか歌えない。

　

人ごとに出来ない。

　

　

僕ら坊さんも「報恩」という意味からは

　　

「お念仏さえしときゃオッケーや」

　

って、やっぱり言っちゃいけない。

　

　

まだまだ、法話としてお話するには

　

勉強が必要ですが・・　

　

今、親不孝な生活を送っている小坊主。

　

反省しながら、そんなふうに思ってます。

　

　

　　

　

コメント 7

paranaさんniceありがとうございます♪
by 小坊主つばめ (2011-06-14 02:37) 

krauseさんniceありがとうございますm(_ _;)m
by 小坊主つばめ (2011-06-14 02:37) 

kuniさんniceありがとうございます♪
by 小坊主つばめ (2011-06-14 02:38) 

nyanさんniceありがとうございます(>▽<)
by 小坊主つばめ (2011-06-14 02:38) 

nonyさんniceありがとうございます★
by 小坊主つばめ (2011-06-14 02:38) 

tomoyasu9rさんはじめまして(^o^)
niceありがとうございますm(_ _)m
by 小坊主つばめ (2011-06-14 02:39) 

ハジナレフさんniceありがとうございます♪♪
by 小坊主つばめ (2011-06-14 02:40)